収益物件を持つあなたへ。「ナフサショック」が不動産市場を変えようとしている
2026/04/19(日)

2026年2月末、中東情勢の急激な悪化をきっかけに、日本の建設業界では今、かつてない規模の資材不足と価格高騰が起きています。
「ナフサ」という言葉、聞いたことがありますか?ナフサとは原油から精製される石油化学製品の原料で、断熱材・塗料・防水シート・ユニットバス・シーリング剤など、住宅建材の多くがこのナフサをもとに作られています。
ホルムズ海峡の封鎖により、日本の原油輸入ルートが実質的に麻痺。その結果、住宅設備や建材の値上げ・受注停止が相次いでいます。これが今、「ナフサショック」と呼ばれる事態です。
具体的に何が起きているのか
業界紙や各メーカーの発表によると、現時点で確認されている影響は以下のとおりです。
- (1) 断熱材メーカー(カネカなど):40〜50%の値上げ、新規受注停止
- (2) 建築用シンナー(日本ペイントなど):最大75%の値上げ
- (3) ユニットバス(TOTOなど):原材料不足により新規受注停止
- (4) 防水シート・ルーフィング(日新工業など):40%値上げ、受注停止
- (5) シーリング材(オート化学工業など):全製品で供給制限
- (6) 樹脂サッシ(YKK APなど):10%程度の値上げ見込み
「お金を出せば買える」ならまだ対処できますが、今回の深刻さは「お金を出しても物が手に入らない」という点にあります。
収益物件オーナーへの影響はとくに深刻
一般の自宅所有者への影響が「将来の住宅購入価格の上昇」にとどまるのに対し、収益物件を持つオーナーへの影響はより直接的です。
たとえば、新築アパートや賃貸マンションを建設中のオーナーの場合、工期が遅れるだけで毎月の融資金利の支払いが発生し続けます。入居者募集もできず、家賃収入はゼロ。ある事業者の試算では、月額60万円超の金利負担が遅延期間中ずっと続くというケースもあります。
また、築15年以上の賃貸マンションで大規模修繕を予定していたオーナーにとっても頭が痛い問題です。修繕費用の大幅な増加に加え、「材料が届かないため工事がストップしても足場や重機のレンタル料は発生し続ける」という二重苦に直面します。
長期化した場合、専門家の予測では全体のコスト増が15〜20%に達するという見方もあります。
地方都市の収益物件はさらに厳しい状況に
今回の問題は、地方都市の収益物件オーナーにとってとくに注意が必要です。
都市部の物件であれば、建材の代替調達先を探したり、工期を柔軟に調整したりするノウハウを持つ大手業者と取引しているケースも多いです。しかし地方の場合、取引先の工務店や建設会社の規模が小さく、今回のような資材ショックへの対応力が限られます。
さらに、地方では人口減少・空き家増加という構造的な課題がすでに存在しています。建材コストの上昇で物件の維持・修繕費が増える一方、賃料を上げることは難しく、収益性がじわじわと悪化していく可能性があります。
また、工務店や建設会社の倒産リスクも増しており、施工途中での事業者倒産という最悪のシナリオも現実的な懸念として出てきています。
今後、どんな流れが予想されるか
物流の専門家によると、たとえ中東情勢が落ち着いたとしても、物流が以前の水準に戻るまでには少なくとも2ヶ月、長ければ半年以上かかる可能性があるといいます。停戦後も海運保険の問題や航路の安全確認など、段階的なプロセスが必要なためです。
また、過去のウッドショックや物価上昇の経験からも分かるとおり、一度上がったコストは下がりにくい傾向があります。2015年と比較してすでに3割以上値上がりしていた住宅コストが、さらに1〜2割上乗せされるというシナリオは十分にあり得ます。
新築マンションの平均価格はすでに9年連続で過去最高値を更新しており、この流れがさらに加速する可能性が高い状況です。
「今の物件、このまま持ち続けてよいか」を考えるタイミングかもしれない
もちろん、状況は一人ひとり異なります。修繕の必要性や融資残高、物件の収益状況によって、最適な選択はさまざまです。
ただ、こうした外部環境の激変期は、自分の物件を客観的に見直す良いタイミングでもあります。「修繕コストがさらに上がる前に売却する」「今の市場価格を確認した上で保有継続か売却かを判断する」という選択肢を持っておくことは、決して悪いことではありません。
まずは今の物件の価値を知ることから始めてみるのが、賢い第一歩かもしれません。
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※本記事は2026年4月時点の公開情報をもとに作成しています。状況は随時変化していますので、最新情報は各メーカー・専門家にご確認ください。
