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「130万円の壁」が変わった。でも、家賃収入がある人には関係ない話? 収益物件オーナーが知っておきたい社会保険の落とし穴


2026/05/11(月)

2026年4月、社会保険の「130万円の壁」のルールが変わりました。

 

ニュースで見かけた方も多いかと思います。簡単にいうと、これまでは残業代を含めた見込み額で年収130万円を超えるかどうかが判断されていたのが、2026年4月1日からは労働条件通知書などに記載されている「契約上の基本収入」で認定されるようになった、という改正です。

 

つまり、繁忙期に残業が増えても「契約上の年収が130万円未満」であれば、扶養から外れずに済むようになりました。パートで働く方や、その家族にとっては朗報といえる変化です。

 

ただ、この改正について、収益物件を持っている方はちょっと立ち止まって考えてみる必要があります。

「新ルール」、実は家賃収入がある人には適用されない

今回のルール変更には、見落としやすいポイントがあります。

 

新ルールは、主に給与収入を前提とした制度です。不動産収入や事業収入、年金収入など継続的な給与以外の収入がある場合は、従来どおり総合的に判断される可能性があります。

 

アパートや戸建て、区分マンションなどから家賃収入を得ている方は、残業代の扱いがどう変わっても「関係ない」ということになります。

 

家賃収入がある以上、今後もパート収入との合算で130万円を超えるかどうかが判断され続けます。制度が変わった今も、壁はそのまま残り続けているのです。

「家賃収入+パート」の組み合わせは、特に注意

扶養控除の範囲内でパート収入を得ていた人が、その収入に加えて家賃収入や売却収入などの不動産収入を得るようになった場合、少額の不動産収入でも、社会保険上の扶養から外れる可能性があります。

 

たとえば、月に7〜8万円のパート収入(年収90万円程度)があって、そこに家賃収入が月4万円(年収48万円)あれば、合算すると年収は130万円を超えてしまう計算になります。

 

「家賃はそんなに多くないし、大丈夫だろう」と思っていた方も、実は知らないうちに壁を超えてしまっているケースが少なくありません。

 

なお、社会保険の扶養判定では、家賃収入から一定の経費を差し引いた金額がパート収入と合算されます。ただし、認められる経費の範囲は税法上より狭い点に注意が必要です。また、不動産収入をどこまで経費として認めるかは、加入している健康保険組合などによって取り扱いが異なる場合があります。

 

しかも、社会保険の被扶養判定では、税務上は必要経費として認められる青色申告特別控除や減価償却費などが、経費として認められない場合があります。つまり、税金の計算では「黒字ではない」物件でも、社会保険の扶養判定では「収入あり」とみなされてしまうことがあるのです。

地方都市の収益物件オーナーにとっての現実

地方都市では、都市部に比べて家賃水準は低めです。たとえば月家賃4〜6万円の物件を1〜2戸持っているという方も多いでしょう。

 

「たいした金額じゃない」と思っていても、パート収入と合算すればあっさり130万円に届いてしまいます。そして扶養を外れると、国民健康保険と国民年金の保険料を全額自己負担することになります。しかも「130万円の壁」を超えると給付が増えるわけではなく、保険料の負担だけが増える仕組みです。

 

さらに今後を見ると、2026年10月には「106万円の壁」の賃金要件が撤廃される方向で制度改正が進んでいます。これまで「年収106万円以上」が条件の一つでしたが、今後は週20時間以上働くパートなどが、より広く社会保険加入の対象になる方向です。そのため、社会保険料負担によって手取りが減る人が増える可能性があります。また対象となる企業の規模要件も今後段階的に撤廃される見通しで、社会保険の網はじわじわと広がっていきます。地方の小さな収益物件でも、じわじわと家計への影響が出やすくなる時代になってきています。

「一時的な収入」とは扱いが違う点も押さえておきたい

ここで一つ、よく混同されるポイントをお伝えしておきます。

 

不動産の売却益は、一般的には継続的な収入とはみなされにくく、社会保険の扶養判定に直結しないケースが多いとされています。そのため、物件売却による一時的な利益だけで直ちに扶養から外れるとは限りません。ただし、最終的な判断は加入先の保険者によって異なる場合があります(別途、確定申告や譲渡所得税の手続きは必要です)。

 

これは、継続して家賃収入が入り続ける状況とは、制度上まったく別の扱いになります。

収益物件の保有を続けるか、一度立ち止まって考えてみませんか

地方の収益物件は、空室リスクや修繕費の問題もあります。家賃収入が思ったより少ないのに、社会保険の扶養が外れて保険料の負担が増えてしまった——そんなケースも、実は珍しくありません。

 

「家賃収入はあるけれど、社会保険料の負担増まで考えると、本当に持ち続けるメリットがあるのか」

 

そんな視点で、一度収支や資産価値を整理してみるのも大切かもしれません。

 

もし売却という選択肢が少しでも気になっているなら、まずは現在の売却価格を把握してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

アパート売却王なら、物件の情報を入力するだけで、今すぐ簡単に自動査定が受けられます。費用は無料、相談するかどうかはその後に決めれば大丈夫です。「売るかどうかまだわからない」という段階でも、まず現在の資産価値を把握しておくことが、賢い判断への第一歩になりますよ。


※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。社会保険の扶養認定基準や必要経費の取り扱いは、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合など)によって異なる場合があります。個別の判断については、社会保険労務士などの専門家や加入先の保険者へご確認ください。


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