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相続手続きがぐっと楽になる新制度——収益物件オーナーが生前に動く意義とは


2026/04/10(金)

2026年2月から、改正不動産登記法により「所有不動産記録証明制度」が始まりました。相続人にとっては大きな助けになるこの制度ですが、複数の物件を保有するオーナー自身にとっても、今のうちに動く理由を考えるきっかけになります。

 

相続人を助ける、画期的な新しい仕組み

これまで、亡くなった方がどれだけの不動産を所有していたかを調べるには、固定資産税の名寄帳や評価証明などを、市区町村ごとに個別に取得する必要がありました。手間と時間がかかる作業で、遠方の物件が見落とされることも珍しくありませんでした。

 

今回の制度では、法務局の登記官が登記情報のデータベースを全国横断で検索し、「この人が所有権の登記名義人として記録されている不動産の一覧」を証明書として発行してくれます。相続人が法務局に一度請求するだけで、原則として被相続人名義の不動産を一覧で把握できるようになりました。なお、名義の不動産が存在しない場合も、「該当なし」という事実自体を証明書として取得できます。

 

請求できる人

  • (1) 本人(所有権の登記名義人)
  • (2) 相続人その他の一般承継人

 

2024年4月からは相続登記も義務化されています。相続を知った日から3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料の対象になります。この新制度は、その義務をきちんと果たせるよう後押しする環境整備の一環です。相続手続きを担う側にとっては、心強い制度といえます。

 

制度を使いこなすために、確認しておきたいこと

この制度は、登記簿に記録されている氏名・住所などを基に検索されます。結婚や引越しの際に登記の変更をしていない場合、証明書の検索条件と一致せず、物件がリストに載らないことがあります。相続人が「物件がない」と誤認するリスクにもつながるため、登記上の情報が最新の状態になっているかどうか、この機会に確認しておくと安心です。

 

複数エリアに物件を持つオーナーへの恩恵

収益物件を複数保有している場合、物件が点在していることも少なくありません。市内の別の地区、あるいは隣の市や町に一棟ずつ——そうした形で物件を持つオーナーにとって、相続人が全体像を把握する作業はこれまで決して簡単ではありませんでした。今回の制度は、そうした手間を大きく減らしてくれます。物件が複数エリアに分かれているケースほど、恩恵を実感しやすい仕組みといえます。

 

この制度で変わること

登記に関する義務化は、段階的に進んでいます。登記に関する義務化は、段階的に進んでいます。2024年4月の相続登記義務化に続き、2026年4月からは住所・氏名の変更登記も義務化されます。変更日から2年以内に手続きをしなければ過料の対象です。同じく2026年4月にスタートする「スマート変更登記」制度により、手続きの利便性も高まります。

 

こうした流れの中で、司法書士や不動産会社への相談ニーズも高まっています。複数の物件を持つオーナーほど、登記情報の確認や相続への備えについて、早めに専門家と話しておくことが得策といえます。

 

特に地方で複数の収益物件を所有している場合、相続後に管理が難しくなる物件が生じるケースも少なくありません。遠方の物件や収益性の低い物件は、相続人にとって負担になる可能性があります。生前のうちに売却や整理を進めておくことで、相続後のトラブルや管理負担を減らすことにつながります。

 

今のうちに相続人のためにできること

この制度は、相続人が「どこに何があるか分からない」という困難を解消するための仕組みです。裏を返せば、オーナー自身が生前に物件を見直しておくことが、残された家族への最大の備えになります。

 

「いつかは売ろうと思っていた物件がある」というオーナーにとって、この法改正は一つの考え直す機会になります。売却は決して後ろ向きな選択ではありません。収益性の低い物件を手放すことは、相続人への負担を減らし、残す物件の管理に集中できることを意味します。生前に自らの意思で動くことが、最もスムーズな選択肢のひとつです。


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