一棟アパートの利回りが過去最低を更新 岡山の収益物件オーナー様が今考えたい売却タイミング
2026/10/16(金)

全国の一棟アパートの平均利回りが、調査開始以来の最低水準を更新したという報告がありました。利回りが下がっているということは、価格が上がっているということでもあります。岡山で収益物件をお持ちのオーナー様が、この動きをどう読み、売却をどう判断すればよいかを整理します。
一棟アパートの利回りが過去最低に
収益物件の大手ポータルサイトが発表した2026年9月期の市場レポートで、次の数字が示されました。
(1) 一棟アパート(全国平均):価格は9,151万円で、前年同月より5.29%上がりました。表面利回りは7.87%で、2008年の調査開始以来の最低値を再び更新しています。
(2) 一棟マンション(全国平均):価格は2億円を超え、利回りは7.40%でした。どちらも高い価格水準が続いています。
利回りは「年間の家賃収入 ÷ 物件価格」で計算します。家賃が大きく変わらないまま価格が上がると、利回りは下がります。つまり今回の「過去最低の利回り」は、物件価格が高い水準にあることを表しています。
地域ごとの差も出ています。一棟マンションは、首都圏で前月比3.35%下がりました。一方、北海道・東海・関西は前年同月比で約20%上がり、いずれも直近1年で最も高い水準になりました。レポートはこれを、首都圏から地方へ投資資金が移り始めた兆しとみています。
なお、これらはポータルサイトに登録された物件の売り出し価格と表面利回りの平均です。実際に取引が成立した価格とは違う点に注意が必要です。
■ 健美家「収益物件 市場動向マンスリーレポート」2026年9月期(PR TIMES)
中国・四国と岡山の状況
同じレポートでは、中国・四国の一棟アパートの平均価格が前月比で11.08%上がりました。ただしこれは、前の月に大きく下がった反動とされています。1か月の数字だけで「中国・四国が値上がりしている」と判断するのは早いでしょう。
同じエリアでも、区分マンションは前年比16.11%の下落でした。地方では、物件の種類や規模によって値動きが分かれていることがわかります。
岡山に目を向けると、岡山駅周辺では再開発が進んでいます。2026年の公示地価では、岡山市北区の平均が前年比3.8%上がりました。都市の中心部の土地価格が上がると、周辺の収益物件の評価にも影響しやすくなります。
首都圏では利回りが下がりすぎ、より高い利回りを求める投資家が地方都市に目を向ける流れがあるとされています。岡山は人口や賃貸需要の規模が比較的安定しているため、投資先の候補に挙がりやすい地域の一つと言われています。オーナー様にとっては、買い手の層が広がる可能性がある局面と言えます。
金利上昇の影響と、売却を考えるときのポイント
一方で、この流れがいつまでも続くとは限りません。日本銀行は2026年9月に政策金利を1.25%程度に引き上げました。金利が上がると、買主の融資条件が厳しくなり、借入コストに見合う高い利回りを求められるようになります。そうなると、価格を押し下げる力が働きます。価格の高い局面が続くかどうかは、今後の金利の動き次第という見方もあります。
売却を考えるときは、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。
(1) ご自身の物件の利回りを把握する:表面利回りだけでなく、管理費・修繕費・固定資産税を差し引いた実質利回りも確認しましょう。
(2) 築年数と融資の関係を確認する:木造アパートの法定耐用年数は22年です。耐用年数の残りが少ない物件は、買主のローン期間が短くなりやすく、売れる価格に影響することがあります。
(3) 相場は成約ベースで考える:ポータルサイトの数字は売り出し価格です。実際にいくらで売れそうかは、地域の取引事例をもとにした査定で確認することが大切です。
(4) 「持ち続ける」と「売る」を数字で比べる:ローンの残り、今後の大規模修繕、売却時の税金を並べて比べます。売却時の税金は、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。
まとめ
一棟アパートの利回りが過去最低となった今は、物件価格が高い局面です。ただし、金利上昇によって流れが変わる可能性もあります。ご自身の物件の収益と市場の両方を数字で確かめたうえで、出口戦略を検討することをおすすめします。
