家族信託とは?収益物件オーナーが知っておきたい資産管理と売却の考え方
2026/03/10(火)

家族信託とはどんな仕組み?
近年、不動産オーナーの間で話題になることが増えているのが「家族信託」です。これは信託法にもとづく民事信託の一種で、家族など信頼できる人に財産の管理や運用を任せる契約のことを指します。
大きな特徴は、裁判所の関与を基本的に必要とせず、契約で決めた範囲内で柔軟な管理ができることです。契約内容によっては、不動産の売却や修繕、借り入れを伴う活用などを家族が代わりに判断できるようになります。
また、信託された財産は「信託財産」として管理されるため、通常の相続財産とは扱いが異なります。この点が、資産承継の仕組みとして注目されている理由の一つです。
法人化と何が違うのか
家族信託について説明を聞いたとき、「法人化と何が違うのだろう」と疑問に感じる方も多いようです。
法人化の場合、不動産の所有者は会社になります。たとえば賃貸マンションを会社名義にすると、家賃収入は会社の売上となり、オーナーは役員報酬などの形で収入を得ることになります。
一方、家族信託では不動産を会社へ移すわけではありません。管理を任される人と、利益を受け取る人を分けて設定する仕組みです。
例えば、父親が所有するアパートについて、管理する人を子ども、家賃収入を受け取る人を父親とする契約にすることができます。こうすることで、将来判断力が低下した場合でも、賃貸経営を継続しやすくなるとされています。
相続のときはどうなるのか
もう一つよくある疑問が、「信託した不動産は相続のときどうなるのか」という点です。
信託された財産は原則として遺産分割の対象にはなりません。なぜなら、信託契約の中で「誰が利益を受けるか」をあらかじめ決めておくことができるためです。
例えば、父親が亡くなったあと、受益者を子どもに変更する契約にしておけば、家賃収入はそのまま子どもが受け取る形になります。
ただし、相続とまったく無関係になるわけではありません。遺留分や相続税など、別の制度との関係もあるため、契約内容は専門家と確認しながら設計することが重要です。
賃貸経営で増える悩み
家族信託が注目される背景には、不動産オーナーの高齢化があります。
賃貸経営では
・建物の修繕
・借り換えや新規融資
・売却や建て替え
といった判断が必要になります。しかし所有者の判断能力に問題が生じると、これらの手続きが進められなくなる場合があります。
その結果、建物の老朽化が進んだり、空室が増えてしまったりすることもあります。こうした問題を防ぐため、あらかじめ管理体制を整えておく方法として家族信託が検討されるケースが増えています。
不動産の整理という選択
もっとも、すべての物件を持ち続ける必要があるわけではありません。
たとえば
・建物の築年数が古い
・修繕費の負担が増えてきた
・相続人が賃貸経営を引き継ぐ予定がない
このような状況では、資産を整理するという考え方もあります。元気なうちに売却しておくことで、相続時のトラブルや管理の負担を減らせる場合もあるからです。
最近は、収益物件を売却して資産を整理したり、管理しやすい物件へ組み替えたりするオーナーも増えています。
まずは資産の価値を知ることから
家族信託を検討する場合でも、不動産を売却する場合でも、まず大切なのは現在の資産価値を把握することです。
不動産無料査定サービス「アパート売却王」では、物件情報を入力するだけで自動査定を行うことができます。賃貸物件の価格の目安を知ることで、今後の資産管理や売却の判断材料になります。
賃貸経営を続けるのか、資産を整理するのか。どちらを選ぶ場合でも、まずは不動産の価値を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
